スエズ運河・パナマ運河Update
海上輸送には、多くの チョークポイント (急所)が世界に点在しています。
なかでも、パナマ運河とスエズ運河は代表的な急所で、
さまざまなリスク対応に追われて来ました。
最近は地政学的な要素から、
ホルムズ海峡やマラッカ海峡なども戦略的に含まれてきました。
イラン・中東情勢の先行きが不透明な状況が続いておりますが、
スエズ運河・紅海経由のサプライチェーン・リスクも
まだ続いていることにも目を向けておきましょう。
▼スエズ運河Update
2023年以降、イエメンのフーシ派が民間船舶への攻撃を繰り返してきました。
そのため、多くのコンテナ船は、喜望峰へ迂回せざるを得ませんでした。
今年の初めころに、そろそろ再開の機運だったのに
イラン問題でフーシ派が参戦してきたため、また逆戻りとなってしまいました。
東京と欧州(英国)間のコンテナ船は、このスエズ運河・紅海を利用して、
片道60日程度で、ワンラウンド120日ほどで運航されていましたが、
喜望峰迂回で2週間ほど余計に航海日数がかかるため、
航海日数の遅れが常態化しており、
年間の運航回転数は明らかに減っており、減収減益の要因と推察されます。
▼パナマ運河Update
イラン・ホルムズ海峡開放のめどが立たない状況が続いており、
中東情勢の不安定化を受け、
燃料サプライチェーンの見直しで、米国発アジア向け輸送で
パナマ運河の通行量が増えているようです。
まだ運河を通行するための渋滞待ちには至っていないようですが、
かつての米国港湾組合ストライキで年中行事のように
西海岸から鉄道輸送への切り替えや南米の先端・ マゼラン海峡 への 迂回など
にならないことを願っています。
▼ 貿易のコンビニの視点
最近のコンテナ船は、20,000TEU以上のコンテナを輸送できる
メガシップで大量輸送の時代です。
「需給バランス」から見ると、需要よりも船腹の供給過剰となっており、
総論的には、運賃市況は弱含みと想定されています。
ただし、 喜望峰を迂回せざるを得ない 日本・欧州間航路については、
この総論的な見方は当てはまらないように思えます。
迂回していることで運航日数が増えていることの常態化と、
戦争危険リスクの高まりから船体保険料の高騰や緊急迂回割増も含め、
運賃市況の高止まりを招いていると考えられます。
欧州航路での 運賃市況の高止まりだけでなく、
他の航路で、空コンテナが足りなくなることを心配する声も出ており、
注意深い状況判断が必要かと思われます。











