米国発の貿易戦争か?

2018-03-05

トランプ米大統領の関税に関する発言が波紋を呼んでいます。

・鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を大幅に引き上げると発言。
・これに対し、欧州や中国は報復措置に動く構え。

米国発の貿易戦争になれば、
・世界や米国の経済を冷やしかねない。
・最悪、米国がWTOを離脱か
といった論評も飛び交っています。

WTOをさも否定しているかのような米国独自の動きに注目です。

世界の貿易体制は、
・モノの貿易を取り決めたGATT協定を発展的に解消して、
・関税協定だけでなく知的財産権などに対応するWTOが1995年にスタート。

WTOは、
保護主義的な閉鎖的な政策が世界の貿易振興の妨げとなるとの考えから、
関税引き下げなど「原則自由」の貿易体制の機能を果たしてきています。

WTO加盟国はすべての加盟国に対し、同じ関税率を適用すること
これがWTOの基本原則です。

しかし、
加盟国が160ヶ国にもなると全体のコンセンサスを得ることが難しくなり、
FTAやEPAなどの個々の国どうしの交渉に走るようになり、
WTOも特例として認めざるを得なくなっていました。
TPPも同じですが、この10年以上もWTOから離れた活動が増えています。

このような状況からWTOは懸念を示し、
・各側の反応を踏まえて見ると、事態がエスカレートする恐れもある
・貿易戦争はいずれの利益にも合致しないものだ
・WTOは事態の行方を注意深く見守っている
と強調しています。

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