ILWU北米西岸港湾労使交渉, Update

2022-05-09

使用者団体のPMA(Pacific Maritime Association)と
港湾労組のILWU (International Longshore and Warehouse Union)との間で
今週12日から始まる北米西岸の港湾労使交渉ですが、

賃金、労働条件以外にコンテナターミナルでの荷役の自動化が大きな争点になりそうで、
交渉がスムーズに終了する可能性は“50対50”とのコメントもあり、行方が注目されます。

▼いままでの背景
北米西岸ではコンテナ滞留日数が、これまで平均3.3日程度であったのが、
8.4日と大幅に長期化し、沖合での滞船が急増したと言われています。

その結果、100隻以上が常時沖待ちする状況でした。
多少改善されたと言っても、
まだ 60〜70隻のコンテナが荷下ろしできないで海上に浮いている状況とのこと。

このような数字もあります。
ロサンゼルス港に到着しても1週間以上荷揚げ作業ができないコンテナ貨物の量:
3月時点で1万5千TEUであったのが、最近では2万TEUと悪化の方向
(TEU=20フィートコンテナ換算)

米国西岸港の混雑でコンテナの回転が悪くなれば、
当然コンテナ船の運航間隔も遅れ、昨秋辺りまで週1便の定期運航ができていたのが、
2週間に1便、月1便の場合も、臨時便を補充しても、月2~3便程度

▼論点を整理すると・・・
この結果、東海岸のニューヨーク/ニュージャージー港へ転送したほうがよいとの
逆転現象も起きており、

コンテナターミナルでの荷役の自動化(人間を機械に置き換えること)をさらに進め、
キャパを改善しない限り、西岸港の競争力が低下してしまうと危惧する使用者側に対して、
ILWU側からは雇用を確保する観点から反発の声が上がっている。

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