COVID-19と国際貿易への影響

2020-03-21

世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、
世界全体の貿易が大きく落ち込む懸念が高まっていると報じられています。

■国際物流網への懸念
世界各国で人の移動を制限、一般の旅客便が大幅減便になっており、
航空輸送への影響が懸念されています。

航空貨物は貨物専用便だけでなく、一般の旅客便も相当数利用されています。
減便となっている=輸送スペースが大幅に縮小してきています。
国際宅配便も同じように 一般の旅客便 を多く利用していますので影響が懸念されます。

■万が一のための補償
・サプライチェーン(部品の調達・供給網)の寸断で連鎖的に被った損失
・感染が深刻な国からの部品供給が途絶えて1カ月以上休止した場合など

コロナの感染拡大で 海外進出企業 が事業休止や工場閉鎖などになった場合、
日本貿易保険NEXIが損失を補償する 保険の取り扱いを始めると発表されています。  
民間の損害保険会社では感染症は免責扱いとなるため、注目すべきニュースでしょうか。

■蛇足ですが、 検疫= Quarantineを辞書で調べてみると、
(名詞)検疫、隔離期間、隔離所
(動詞)~を隔離する、検疫する、締め出す、孤立させる、絶交する

長年イタリア在住で作家活動をしている塩野七生さんによると、
Quarantineとは、もともと中世ベネチアの言葉で「40日間」を意味するとか。

人類の歴史はペストなどの流行病の歴史であり、
ヨーロッパとオリエントとの交易で成り立っていたベネチアは、国境を閉鎖するよりも、
40日間隔離する疫病対策に着手したおかげで、500年におよぶ繁栄となったそうです。
(文藝春秋4月号、巻頭エッセイより抜粋)

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