50年前のメッセージ

2020-04-22

TPP協定がスタートして1年半ほどになりますが、
この構想のオリジナルが日本発であったことを初めて知りました。

「貿易国家のジレンマ」(ミレヤ・ソリース 著、日本経済新聞社刊)
(Dilenmas of A Trading Nation by Mireya Solis 2017, The Brookings Institution)  

この著書の序文に書かれています。

いまから50年も前の1970年代に内閣総理大臣を務めた大平 正芳が環太平洋連帯のあり方について
貿易だけでなく教育・文化交流も含めた未来へのビジョンを提言。

この著者はメキシコで生まれ育ち、日本メキシコ学院で学び育ったそうで、
大平首相がメキシコを訪問した際にこの学校に立ち寄った時に、
生徒代表として歓迎の言葉を述べたそうです。

その時メキシコの学校で大平首相が生徒に残したメッセージが 紹介されています。
・一生懸命に勉強して優れた市民に成長してください
・みなさんは将来両国の基礎となるのですから
・大事なのはひとりひとりが広い視野と柔軟な思考を育て、将来の国際社会に貢献することです

自由で開かれた相互依存を推進することを提言したのが1970年代ですが、
2018年12月に発効したTPPで多国間の相互依存につながっているのでしょう。

この序文の最後にある著者の言葉を共有したいと思います。
「心が内向きになっていくように思われるこの不安定な時代に、
柔軟な思考と寛容な心の重要性について、
また人と人との交流を育てることの計り知れない可能性について、
次の世代に伝えるこれより強いメッセージは考えられません」

*「貿易国家のジレンマ」は、大平記念財団から表彰を受けております。  

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