米国の輸出管理が厳しくなってきています

2020-07-27

「米商務省、中国企業11社を輸出管理対象に追加」という報道が先週ありました。

半導体などを対象にファーウェイとその関連企業への輸出管理を強化してきていましたが、
ますます米国の輸出管理が厳しくなってきています。

今回の報道は、新疆ウイグル自治区での少数民族に対する人権侵害を理由に
輸出管理規則(EAR)に基づくエンティティリスト(EL)に追加したとのことです。

▼エンティティリスト(EL) とは?
日本の輸出管理でいう「キャッチオール規制」にある「外国ユーザーリスト」と同じく、
案件ごとの審査対象となる要注意企業リストのことです。

対象となる企業名がまだ日本メディアからは公表されていないですが、
米国商務省からの発表を共有したいと思います。

▼今回輸出管理対象に追加された11社
・Changji Esquel Textile Co. Ltd.
・Hefei Bitland Information Technology Co. Ltd.
・Hefei Meiling Co. Ltd.
・Hetian Haolin Hair Accessories Co. Ltd.
・Hetian Taida Apparel Co., Ltd.
・KTK Group
・Nanjing Synergy Textiles Co. Ltd.
・Nanchang O-Film Tech
・Tanyuan Technology Co. Ltd.
・Xinjiang Silk Road BGI
・Beijing Liuhe BGI

このエンティティリスト(EL)記載された相手先に米国製品を輸出・再輸出する場合、
事前許可が必要となります。

▼キャッチオール規制とは?
日本の輸出管理は、貨物・技術の規制とキャッチオール規制との二段階のチェックとなっています。
貨物・技術のスペックチェックだけでなく、
誰がどのような用途に使うのかをチェックするのがキャッチオール規制です。

米国と同様に、日本の輸出管理令では要注意の相手先リスト「外国ユーザーリスト」が
経産省から発表されています。
ここに記載された相手先に対して、輸出ができないでわけではありません。
申請内容が慎重に審査が行われる、とご理解ください。

日本の 「外国ユーザーリスト」への反映はまだされていませんが、
いずれ追随すると思われます。
エンティティリスト(EL)に掲載企業への輸出申請の場合は、会社情報などの説明を求められることがあると思います。

輸出コンプライアンスは、「軍事利用に転用されないようにするため」が本来の目的です。
もともと民生取引で軍事には関係ないと思われるでしょうが、
悪意を持って軍事転用することもありうることで、世界の多くの国で輸出コンプライアンス体制が構築されています。

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