日・EU、EPAで大枠合意

2017-07-10

TPPが先行き不透明なだけに、歓迎すべきニュースですね。
EUに無関税でクルマ売れるようになるけど、
ちょっと気になったことがありました。

■ TPPの時には「大筋合意」でしたが、今回は「大枠合意」
日本政府は従来の通商交渉では
「大筋合意」という言葉を使ってきていますが、
今回はあえて「大枠合意」という言葉を使っています。

大筋合意と大枠合意とはどう違うのでしょうか?

英語を調べてみると、
大筋合意 broad (basic) agreement
大枠合意 outline agreement
となっています。

公式な定義はないようですが、
主要分野の交渉は決着したが、
いくつかの分野の交渉が残った状態が大枠合意のようです。

まだ 決着を持ち越している案件もあるが、
最も関心が高い関税分野は決着したため、
「大きな枠で考えれば合意した」ということで、
使い分けているようです。

BBC Newsをチェックしてみました。
たしかに見出しにOutlineの文字がありますね。

The European Union and Japan have formally agreed an outline free-trade deal.

国内向けに外交成果を強調したい?
なんとなく政治的な意味合いを感じてしまいますが。

■チーズに低関税輸入枠
今回の大枠合意でもう一点気になることがあります。

交渉の主役だったチーズの関税に
一定量までの「低関税輸入枠」を新設することになりました。

カマンベールなどのナチュラルチーズを対象に、
・現行の関税率29.8%を毎年2%削減、16年目でゼロ関税
・ただし、輸入対象数量を2万トンから16年目3万1千トンに設定

つまり、輸入量が「低関税輸入枠」が超えると、通常関税率29.8%が
適用されるということです。

TPPで日本がアメリカとコメで交渉を重ねた結果、
778%という高率の関税を維持した一方で、
年間7万トンの「無関税輸入枠」を新設したのと似ているようですね。

農水省がらみのコメとチーズだけに
なんとなく政治的な意味合いを感じてしまいますが。

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